パリに暮らして思うこと

僕がパリに住んで、まもなく17年が経とうとしています。ひょんなことから日本を離れ、海外(フランス)に住むことになり、慌しい生活を送っています。 今までの人生で、日記などかいたことないのですが、日々思ったことを少しずつ書いてみようかなと思います。興味があれば読んでみてください。

新型インフルエンザの恐怖

今日は仕事が昼までで終わったので、義理の姉夫妻宅で
新築祝いをしました。
義姉はフランスの某外資系医療機器メーカーで働いている
ため、海外出張をよくしていて、ちょうど昨日の早朝に
日本からフランスに戻ってきました。
私が食事を用意しているときに、義姉が
「あ〜、なんだか体が震えて様子がおかしいわ〜」
妻と思わず顔を見合わせます。
「まさか…例の新型インフルエンザでは?」
ついに、恐怖のインフルエンザが自分の目の前にも迫ってきた。
そんな大げさに言ったら、だめですね。
実際いろいろと調べてみると、健康な成人なら普通の
インフルエンザとたいして変わらないようです。
詳しくは、↓MSNのインフルエンザ特集をご覧ください。
http://beautystyle.jp.msn.com/healthcare/feature/medical/influenza/
ただ、今思えば5月の日本中で、マスクが売り切れ続出に
なる騒ぎはいったいなんだったのでしょうか?
実は私は、今年の4月23日から5月3日まで日本に
住んでいる二人の友人と一緒に、アメリカ西海岸を旅行し
27日にはメキシコ国境沿いまで南下する予定でした。
ところが、26日に私の知り合いからたくさんの電話が
掛かかってきました。
友人二人も同じ状況だったのですが、内容が新型の
豚インフルエンザがメキシコで猛威を振るっていて、
たくさんの人がお亡くなりになって
既に国境を越えて、アメリカにも広がってきている。
何があってもメキシコやサンディエゴには行かないように
とのこと。
「俺たち、もう既にサンディエゴに入ってるやん!!」
とは言えなかったので、皆には
「大丈夫。まだLAにいるから」と言って、その足で
ラスベガスに向けてウィルスから緊急避難しました。
これだけの電話が掛かってきたということは、日本では
相当大騒ぎになっているんだなと思い、インターネットで
情報を調べていると、たくさんの新型インフルエンザ
(これからはこの言い方にします)
情報が出てきて、おっかなびっくり、初めてのアメリカ旅行が
大変なことになってしまった。すぐにマスクを買い求めて
薬局を転々としたのですが、どこに行っても答えは
「We don't have」
大変だ。情報に乗り遅れてマスクを買い逃してしまった。
また、日本の父から連絡が入ってきて
「遂に、フェーズが4に引き上げられるみたいだ。下手をすると
日本やフランスに入国できなくなる可能性もあるから、
旅行を中止して帰国するように。」
がーーーーーーーん。
フェーズって一体、何なんだ?
帰国できなくなるかも知れないって、どういうことだ?
聞き慣れない言葉と、帰れなくなるかもという恐怖感で
旅行を楽しんでいる場合でも無かったのですが
いざ、ラスベガスに着いてみるとすっごく楽しい街で
新型のインフルエンザの事など、すっかり忘れていました。
薬局を見つけると、一応マスクを聞くのですが、答えはやっぱり
「We don't have」
ラスベガスの街の一番の大通り、その名も「ストリップ大通り」
は物凄い人が行き来しているのですが、誰一人としてマスクを
着用している人はいません。
まだ、ラスベガスまでは新型インフルの影響が来ていないから、
なのかな?とその時は思っていました。
多少変更は有ったものの旅程通り、フランスに帰国する2日前に
LAに戻ってきて、やっぱり誰もマスクを着用していない。ただし
一部メキシコ系と思われる人達がマスクをしていたのを見た
(ほんの5,6人)のと、帰国の日に空港の清掃員が着用してい
ただけでした。
友達が一足先に韓国経由で日本に帰る為、もしもの事を考え
在韓国日本大使館と領事館の連絡先を渡し、お別れしました。
私の出発まで5時間空港に、軟禁されることになっていたので
カフェで出発を待っていると、出てくる出てくるマスク姿の
日本人旅行客が。
半分以上の日本人と思われるアジア人がマスクをして
歩いているのを見て、ちょっと違和感が。
周りの人から見ると、日本では感染者が続出しているのかな?と
思われている様な感じがしました。
感染元に最も近いアメリカ人が誰もマスクをしていないのに、
何故、日本人だけマスクをしているのか?
何処の薬局に行っても「We don't have」というのは
もしかして、元々置いて無かったもしくは、ほんの少ししか
置いて無かったと言う事だったのかも。
でも無いからと言ってアメリカ人がパニックになっている
という感じは全く無かった。
私は英語は疎いのですが、LAタイムズや一部のマイナー紙は
一面にメキシコの医療現場の写真を掲載したりしていましたが、
テレビでもたいして報道していないように感じた。
もしかすると、パニックを防ぐために報道規制でもしているのかな?
でも、そんな事をして殺人ウィルスが蔓延してしまうと逆効果。
やっと5時間が過ぎ、LA発アムステルダム行の飛行機に乗り込み
最初の関門、ヨーロッパの検疫通過をどうやって切り抜けようかと
考えを巡らせていました。
10時間のフライト経て、アムスに到着。
ターミナルを渡って、出国審査を無事通過。
パリ行きの乗り換えゲートに到着して、一息ついて
あれ?検疫は?という感じ、検査のけの字も無かったのです。
パリCDG空港に到着した時には、税関員すらいませんでした。
空港内はマスクを着用した日本人が、ウロウロ。
フランス人は勿論、誰もしていませんでした。
妻と10日ぶりに再会し、話をしてみると
在仏日本人も誰もマスクは着けておらず、殆どの日本人旅行者は
マスクを着けて来るのだが、初日だけみたいとのこと。
今回は、運良く新型インフルの毒性は普通のインフルエンザと
変わらないという事が分かり、遠く離れた日本でパニックになる
必要は無かったのだが考え方によってはこう考えられなくはない
だろうか?『逆にそれ位用心したほうが良い』という事。
フランスではマスクを着けるのは、医療関係者等で一般の人が
着けるのは稀です。実際友人も「何か重大な病気に掛かっている様
に見られるのでいやだ」「かっこ悪いのでいやだ」
と言っていました。「日本人だったら病気にかかりたくない」とか
言うのかな?私も日本に居ればマスクを着けていたでしょう。
アメリカやヨーロッパのように全く無防備だと本物の
殺人ウィルスが発生した時に、どうなってしまうのだろうか?
多分、防ぎ用が無いでしょう。
日本ではその後、何故か関西で新型インフルが発生。全国へ
拡大していったのですが、ある記事に「最初だけ皆マスクを着け
気をつけていたのに、弱毒性と分かった途端誰も気をつけなく
なってしまった。」とあり、感染が拡大した原因が、
検疫の強化・マスク・うがい手洗い等に効果が無かったのか?
それとも記事の様に、途中で気をつけなくなってしまった
のが原因なのか?きちんと検証する必要があるでしょう。
アメリカで一緒だった友人二人の後日談ですが、韓国で
検疫表に記入、体温チェックもパスし日本入国時も同様の
検査と帰国後最低5日間はマスクを着用するよう忠告され
たそうです。一人は医療関係者で、帰国後2週間の自宅待機
になってしまいましたし、もう一人は運送業なのですが、
事務所の人が皆、感染を恐れて自分に近寄って来ないと
嘆いていました。最初の感染者は相当差別されたそうですし
神経質になり過ぎるのもちょっと、、、
話を戻して、義姉が日本からフランスに帰国後新型インフル
らしき症状を発症してしまい、「遂に遂に身内まで来たか」
と思いつつも、ポジチィブに考えて、厳しいパリの冬が来る前に
さっさと移してもらって免疫を作っておこう。
ただ、弱毒性とは言っても、体力の落ちている人や持病の有る
人は重症化し易いのでくれぐれも気をつけてください。
特にお姉さんの場合引越しと出張、ハードスケジュール
が重なって相当体力が落ちていると思うので、忙しいとは
思うのですが家事などは旦那様に全部任せて、ゆっくり休んで
くださいね。お大事に。
ここまで読んでくださった方、長々書いてすみません。
ありがとうございました。
じゃあね
追伸

帰りの空港で見かけたポスターです。

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