パリに暮らして思うこと

僕がパリに住んで、まもなく17年が経とうとしています。ひょんなことから日本を離れ、海外(フランス)に住むことになり、慌しい生活を送っています。 今までの人生で、日記などかいたことないのですが、日々思ったことを少しずつ書いてみようかなと思います。興味があれば読んでみてください。

今週のお題:フランス料理 食欲の秋 ジビエの秋

フランスの秋の名物と言えば「ジビエ」です。ジビエというのは、ハンターが捕獲した完全に野生の鳥類やウサギ、シカ、イノシシの料理の事です。ただ、完全に野生では供給が安定しなかったり、入手困難で大変高価なものになってしまうので、生きたまま捕獲して餌付けをし出荷時期をコントロールしたり、有る程度飼育してから野に放ち、成長したものを捕獲したりもします。完全に野生のものを「Sauvage(ソバージュ)」半野生のものを「Demi Sauvage(ドゥミ・ソバージュ)」と言って区別していますが、どちらもジビエとして流通しています。調理には内臓の掃除や羽根、毛などの処理で手間が係り、美味しく作るには加熱にも高度な技術が要求されます。まさにレストランでしか食べれない料理です。たまに食べていると中から鉄砲の弾が出てくることもありますよ。私はパリに住んでいるので、毎年秋が来るのを楽しみにしています。初めてcolvert(マガモ)を食べたときは独特な風味で違和感を感じましたが肉を噛み締める度、旨みが口一杯に広がるんです。今ではすっかりジビエの虜です。秋になったので、早速パリ17区にある「EPICURE 108」というフランス料理レストランへ妻と友達3人で行ってきました。そこは、オーナーの有名日本人シェフがキッチンを仕切り、ホールをきびきびとした奥様が切り盛りしています。シェフは20年以上フランスで料理を追求し、特にアルザス地方の料理に長けていて、パリに居ながらアルザスの味を感じる事が出来ます。お値段もリーズナブルで(前菜・メイン・デザートのコースで何と32€)大食漢のフランス人でも満足のボリューム。お客さんは地元のフランス人で、いつも賑わっています。日本で懐石料理店の料理長が外国人で、そのお店が地元のお客さんで賑わっている、なんてあまり聞かないですよね?シェフの実力の高さを感じさせられます。今回私達は前菜でシェフお薦めの「鶉のフォアグラ詰め」

「グルメサラダ」

「オマール海老と子牛のゼリー寄せ」

をオーダーしました。
「鶉のフォアグラ詰め」は、鶉の小骨が丁寧に抜き取られており、中には沢山のフォアグラが詰まっています。かなりのボリュームですがあまりの美味しさにペロッと食べてしまいました。「グルメサラダ」は新鮮なサラダにスモークサーモン、鴨のヒレ肉の燻製、フォアグラ等が載った豪華な一品。こちらも絶品です。「ゼリー寄せ」は太いオマール海老と子牛がマッチしてとても美味しかったです。マダムも「コラーゲンたっぷりで女性に人気なんですよ」とおっしゃっていました。待ちに待ったメインディッシュは当然全員ジビエを注文しました。「スコットランド産の雷鳥(grouse、グルーズ) のロースト」は赤みで独特の匂いがあり、しっかりとした味。内臓が入ったソースがぴったりと合っていて美味しいです。日本では天然記念物の鳥なので、絶対に食べる事が出来ませんが、ヨーロッパでは割とポピュラーな食材なのだそうです。

「ヤマウズラ(perdreau、ペルドロー)のロースト」は定番のジビエです。こちらもかなりのボリュームですが、白身の肉質で癖はあまりありませんので初心者の方におすすめかも。

「ヤマバト(pigeon sauvage、ピジョンソバージュ)のロースト赤ワインソース」こちらも定番のジビエです。ピンク色の身は焼き加減が絶妙です。

3人とも、骨にかぶり付きたい気持ちを抑え無言でお皿に挑んでいました。既にお腹は一杯だったのですが、デザートは別腹とこちらも完食。コーヒーを注文した際に付いて来た手作りのチョコレートやマカロンも残さず食べてきてしまいました。シェフご夫妻、いつも美味しいお料理ありがとうございます。じゃあね
「Epicure 108」
108, rue Cardinet 75017 PARIS
Tel +33-1-4763-5091
休み 日曜日、月曜(夜)、土曜(昼)